犬を迎える前に気になるのが、「結局、1年でどのくらいお金がかかるのか」です。

犬の費用は、フード代だけではありません。最初にそろえる用品、市区町村への登録、狂犬病予防注射、ワクチン、通院、保険、トリミング、ペットホテル、床対策など、生活に合わせて増えやすい項目があります。

この記事では、日本向け・東京基準の公開料金例をもとに、犬を飼う費用を「初期費用」「毎月かかる費用」「年1回・不定期にかかる費用」に分けて整理します。

金額はあくまで目安です。実際の費用は、犬の体格、年齢、健康状態、住んでいる地域、動物病院、店舗、契約内容、商品選びによって変わります。

この記事で分かること

  • 犬を飼う年間費用の考え方
  • 初期費用・毎月費用・不定期費用の分け方
  • フード代、医療費、保険料、トリミング代の見積もり方
  • 小型犬・中型犬・大型犬で費用が変わりやすい項目
  • 迎える前に家計で確認したいチェックポイント

先に結論

犬の年間費用は、体格や飼い方によって大きく変わります。

アニコム損保の2025年支出調査では、犬にかけた年間支出は413,416円とされています。ただし、これは同社のペット保険契約者へのアンケートをもとにした調査です。すべての飼い主の平均額として断定せず、費用感をつかむための参考値として見てください[1]。

犬の費用は、合計額だけを見るよりも、次の3つに分けると家計に当てはめやすくなります。

区分主な内容目安の考え方
初期費用ケージ、トイレ、キャリー、食器、首輪、リード、床対策など迎える前後にまとまって発生しやすい
毎月費用フード、ペットシーツ、保険、消耗品、ケア用品など家計の固定費として見ておく
年1回・不定期費用狂犬病予防注射、ワクチン、健康診断、トリミング、通院、預かりなど年間予備費として分けておく

最初に見るべきなのは、合計額だけではありません。「毎月どのくらい固定費が増えるか」「年1回や急な支出に備えられるか」を分けて考えることが大切です。

犬の費用を初期費用、毎月費用、不定期費用に分けたイラスト

合計額だけでなく、費用が発生するタイミングごとに分けて考えます。

前提:犬の費用は条件によって変わる

犬の費用は、次の条件で変わります。

  • 小型犬・中型犬・大型犬などの体格
  • 子犬、成犬、シニア犬などの年齢
  • 短毛犬、長毛犬、トリミングが必要になりやすい犬種かどうか
  • 室内環境、賃貸、マンション、戸建てなどの住環境
  • 動物病院、トリミングサロン、ペットホテル、保険会社の料金
  • フードや用品の選び方
  • 健康状態や通院の有無

この記事の金額は、東京基準の公開料金例、全国調査、保険会社の公開料金表、通販価格例を組み合わせた目安です。全国調査や通販価格は東京限定の価格ではないため、地域差があることを前提に確認してください。

犬の年間費用の全体像

犬の費用は、以下のように分けると把握しやすくなります。

費用項目目安変わりやすい条件確認ポイント
初期用品約15,000〜60,000円以上体格、用品の品質、住環境必須用品と後から買えるものを分ける
登録・狂犬病予防登録3,000円程度、注射済票550円程度の自治体例自治体、手続き方法住んでいる自治体で確認
マイクロチップ登録オンライン400円、用紙1,400円申請方法装着費用とは別に考える
フード・おやつ月3,500〜8,000円前後から体格、年齢、フード種類商品パッケージと公式情報を確認
医療・予防年数千円〜数万円以上ワクチン、健康診断、予防薬、通院動物病院で確認
避妊・去勢去勢20,000〜40,000円程度、避妊35,000〜80,000円程度の公開料金例体重、性別、術前検査、病院実施有無は獣医師に相談
ペット保険月1,800円台〜1万円超犬種、年齢、補償割合、契約内容加入判断ではなく補償条件を確認
トリミング1回4,000〜15,000円前後、大型犬やカット内容でそれ以上の例もあり犬種、毛量、サイズ、コース頻度を年額に直す
ペットホテル1泊4,000〜17,000円台の公開料金例体格、部屋タイプ、繁忙期旅行・帰省時の予備費にする

この表は、犬の費用を見積もるための入口です。実際には、すべての項目が毎月発生するわけではありません。まずは「毎月固定でかかるもの」と「年に数回・必要なときにかかるもの」に分けましょう。

初期費用でかかるもの

犬を迎える前にそろえたい初期用品を並べたイラスト

初期用品は、健康・安全・衛生に関わるものから優先してそろえます。

犬を迎えるときは、最初に用品をそろえる費用が発生します。

代表的な用品は次の通りです。

初期用品役割
ケージ・サークル留守番、休む場所、トイレの区切り
トイレ・ペットシーツ室内トイレの準備
食器・給水器フードと水の管理
首輪・ハーネス・リード散歩や外出
キャリー通院、移動、災害時
ベッド・マット休む場所、床の冷え対策
床対策用品すべり止め、傷防止、防音

カインズ公式通販の公開価格例では、ペットシーツは数百円〜数千円、トレー付きサークルやキャリーは数千円〜1万円台の商品が確認できます[2]。ただし、商品価格は変動するため、記事を読んだ時点の最新価格は販売ページで確認してください。

初期費用を抑えたい場合でも、キャリー、トイレ、食器、散歩用品、休む場所など、健康・安全・衛生に関わるものは優先して考えましょう。見た目の装飾品や季節用品は、必要になってから追加する方法もあります。

登録・狂犬病予防・マイクロチップの費用

犬の登録や狂犬病予防注射などの手続きを整理するイラスト

登録や予防注射などの手続き費用は、自治体や申請方法を確認します。

犬を飼う場合、市区町村への登録や狂犬病予防注射など、法律上必要な手続きがあります。

厚生労働省は、犬の登録や狂犬病予防注射の手続きは住んでいる市区町村で行い、登録時には鑑札、予防注射を受けた際には注射済票が交付されると説明しています[3]。

東京の自治体例では、江東区で犬の登録手数料が1頭につき3,000円、文京区でも飼い犬の登録手数料が3,000円とされています[4][5]。注射済票の交付手数料は、自治体で確認してください。

マイクロチップについては、環境省の犬と猫のマイクロチップ情報登録制度で、登録・変更登録手数料がオンライン申請400円、用紙申請1,400円とされています[6]。これは情報登録の手数料であり、動物病院などでの装着費用とは別に考えます。

毎月かかる固定費

犬の毎月かかる固定費をカレンダーと家計メモで整理するイラスト

毎月の固定費は、家計に入れて継続できるか確認します。

犬を迎えた後に家計へ影響しやすいのは、毎月の固定費です。

代表的なものは次の通りです。

  • フード代
  • おやつ代
  • ペットシーツなどの消耗品
  • ケア用品
  • ペット保険料
  • 冷暖房などの光熱費増加分
  • 必要に応じたトリミング代

フード代は、犬の体格で大きく変わります。小型犬は食べる量が少なめになりやすい一方、大型犬はフード量が増えやすく、月額・年額の差が出やすい項目です。フード量は、商品パッケージ、公式情報、獣医師の指示を優先してください。

消耗品では、ペットシーツや消臭袋などが継続費用になります。カインズ公式通販の公開価格例では、ペットシーツは数百円〜数千円の商品が確認できます[2]。交換頻度は犬の体格、排泄回数、室内トイレの使い方で変わります。

犬のフード代と消耗品費を整理するイラスト

フードや消耗品は、体格や交換頻度によって毎月の負担が変わります。

医療費・予防費の考え方

犬の医療費や予防費を動物病院と健康診断シートで表したイラスト

医療費や予防費は、内容や動物病院によって変わるため事前確認が大切です。

医療費は、もっとも断定しにくい費用です。

健康診断、混合ワクチン、狂犬病予防注射、フィラリア・ノミダニ予防、通院、検査、薬、手術など、内容によって費用が大きく変わります。日本獣医師会は、家庭飼育動物の診療料金実態調査を公表していますが、診療料金は動物病院ごとに異なります[7]。

東京都内の動物病院公開料金例では、犬の5種混合ワクチンが7,500円、6種混合ワクチンが8,000円、8種混合ワクチンが9,000円とされています[8]。別の公開料金例では、犬の去勢手術が20,000〜40,000円、避妊手術が40,000〜80,000円、術前検査が6,000〜10,000円とされています[9]。

これらはあくまで公開料金例です。実際の金額は、犬の体重、年齢、体調、検査内容、麻酔、入院、動物病院の方針によって変わります。治療や手術の判断は、必ず獣医師に相談してください。

ペット保険を確認するときのポイント

ペット保険の補償内容や保険料を確認するイラスト

ペット保険は、保険料だけでなく補償範囲や免責も確認します。

ペット保険は、入るべきかどうかをこの記事で決めつけません。

確認したいのは、次の項目です。

  • 月額保険料
  • 補償割合
  • 通院・入院・手術の補償範囲
  • 免責金額
  • 年齢による保険料の変化
  • 犬種分類による違い
  • 既往症や待機期間の扱い

アイペットの公式保険料表では、犬A・犬B・犬Cなどの分類、年齢、30%・50%・70%プランによって月払・年払保険料が変わることが確認できます[10]。0歳でも月1,800円台から3,000円台以上、年齢が上がるとさらに高くなる例があります[10]。

保険は、安さだけでなく、補償範囲、使いやすさ、家計で備える金額とのバランスで考えます。迷う場合は、保険会社の公式情報を確認し、必要に応じて獣医師にも相談してください。

トリミング・ケア用品で変わる費用

犬のトリミング代やケア用品を整理するイラスト

トリミングやケア用品の費用は、犬種・毛量・利用頻度で変わります。

犬種によっては、トリミング代が年間費用に大きく影響します。

東京のトリミング料金例では、チワワやダックス、トイ・プードル、ビション・フリーゼ、柴犬、ゴールデン・レトリバーなどで、シャンプーコースやカットコースの料金が異なります[11]。別の東京のトリミング料金表でも、小型犬は4,000円台から、大型犬やスタンダードプードルでは1万円台〜3万円台になる例が確認できます[12]。

トリミングが必要になりやすい犬種では、1回あたりの料金だけでなく、年間で何回利用するかを考える必要があります。毎月ではなく数か月に1回でも、年額にすると大きな支出になります。

一方で、短毛犬でも爪切り、耳掃除、ブラッシング、シャンプー用品などのケア費用は発生します。犬種ごとの美容頻度を断定せず、毛質、毛量、生活環境、サロンの料金を確認しましょう。

ペットホテル・預かり費用

ペットホテルや預かり費用を旅行バッグとカレンダーで表したイラスト

旅行や帰省がある場合は、預かり費用も年間予備費として考えます。

旅行、帰省、出張、急な予定がある場合は、ペットホテルや一時預かりの費用も見ておきたい項目です。

東京の公開料金例では、小型犬の1泊が4,200円、中型犬が5,200円、大型犬が6,200円という例があります[13]。別の施設では、小型犬のハウス1泊が7,800円、大型犬では11,600〜17,700円の例もあります[14]。

この費用は毎月かかるとは限りませんが、年に数回でも利用する場合は年間費用に入れておくと安心です。繁忙期料金、キャンセル料、持ち物、ワクチン証明の条件も確認しましょう。

体格・犬種・住環境で変わるポイント

小型犬、中型犬、大型犬で費用が変わりやすい項目を示すイラスト

体格が変わると、フード量、用品サイズ、預かり費用なども変わりやすくなります。

犬の費用は、体格や犬種で変わりやすいです。

条件増えやすい費用確認ポイント
小型犬トリミング、歯のケア、寒さ対策用品小型犬でも医療費や保険料を安いと決めつけない
中型犬フード、散歩用品、しつけ、抜け毛対策小型犬向けの費用感だけで見積もらない
大型犬フード、医療、保険、用品サイズ、移動費用品やホテル料金も高くなりやすい
長毛・トリミング犬種サロン代、ブラッシング用品1回料金だけでなく年間回数で見る
都市部マンション床対策、防音、ペットホテル、通院移動管理規約や移動手段も確認する
車なしキャリー、タクシー、ペットタクシー緊急時の通院手段を考える

「小型犬だから安い」「大型犬だから必ず高い」と単純には言えません。体格、毛質、健康状態、生活環境を組み合わせて確認することが大切です。

マンションや車なしの生活で犬の費用が変わることを示すイラスト

住環境や移動手段によって、床対策や通院移動の費用も変わります。

費用を見直すときに削りすぎないもの

犬の費用で削りすぎに注意したいものと見直せるものを分けたイラスト

費用を見直すときは、健康・安全・衛生に関わるものを優先します。

犬の費用を見直すことは大切ですが、削りすぎに注意したい費用もあります。

削りすぎに注意したいものは、次のような項目です。

  • 適切なフード
  • 予防・ワクチン・健康診断
  • 通院が必要なときの医療費
  • 室内の安全対策
  • 散歩や移動に必要な用品
  • 衛生管理に関わる消耗品

一方で、見直しやすいものもあります。

  • 季節用品の買いすぎ
  • 似た用途のグッズの重複
  • 使っていないおもちゃや服
  • 頻度を見直せるサービス
  • まとめ買いできる消耗品

費用を抑える場合は、「健康・安全・衛生に関わるもの」と「好みや便利さで追加するもの」を分けて考えましょう。

迎える前のチェックリスト

犬を迎える前に確認したい費用チェックリストのイラスト

迎える前に費用項目を分けて確認すると、家計で判断しやすくなります。

犬を迎える前に、次の項目を確認しておくと費用を見積もりやすくなります。

  • 初期用品をそろえる予算を用意している
  • 毎月のフード代と消耗品費を家計に入れている
  • 狂犬病予防注射や登録などの手続きを確認している
  • ワクチン、健康診断、予防薬の費用を見込んでいる
  • トリミングが必要になりやすい犬種か確認している
  • ペット保険に入る場合と入らない場合の備え方を考えている
  • 通院や緊急時の移動手段を考えている
  • 旅行・帰省時の預け先を考えている
  • シニア期の医療費やケア費用も長期的に意識している

すべてを最初から完璧にそろえる必要はありません。ただし、犬の健康と安全に関わる費用は、迎える前に優先して確認しましょう。

注意点・免責

本記事の金額は、公開料金、公式情報、調査結果をもとにした目安です。実際の費用は、犬の体格、年齢、健康状態、地域、動物病院、サロン、店舗、契約内容、商品選びによって変わります。

医療費、治療内容、ワクチン、避妊去勢、ペット保険、フード量については、この記事だけで判断せず、獣医師、保険会社、自治体、公式情報を確認してください。

価格やサービス内容は変更される場合があります。最新情報は各公式ページや販売ページで確認してください。

飼い主と犬が家計ノートを見ながら費用を確認しているイラスト

不安を煽らず、家計と飼育環境に合わせて確認していきましょう。

よくある質問

犬の年間費用は一律で決められますか?

一律では決められません。小型犬・中型犬・大型犬、年齢、犬種、健康状態、フード、保険、トリミング、住環境によって変わります。合計額だけでなく、毎月費用と不定期費用に分けて見積もるのがおすすめです。

小型犬なら費用は安くなりますか?

フード量や用品サイズは小さくなりやすい一方で、トリミング、医療、保険、ケア用品などは小型犬でも必要です。小型犬だから必ず安いとは考えず、犬種や生活環境に合わせて確認しましょう。

ペット保険には必ず入るべきですか?

この記事では加入の要否を断定しません。保険料、補償範囲、免責、年齢による保険料変化、家計で備える金額を比較して考えます。迷う場合は、保険会社の公式情報や獣医師への相談も参考にしてください。

トリミング代は毎月かかりますか?

犬種、毛質、毛量、カット内容、サロンによって変わります。毎月必要な犬もいれば、数か月に1回でよい場合もあります。1回あたりの料金だけでなく、年間で何回利用するかを見ておくと家計に入れやすくなります。

犬を迎える前に、最低限どの費用を確認すべきですか?

初期用品、毎月のフード・消耗品、登録・狂犬病予防、ワクチン、健康診断、通院時の予備費、ペット保険を検討する場合の保険料を確認しておくと安心です。

参考・確認した情報

番号出典名・ページ名記事内での用途確認日
[1]アニコム損保「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」犬の年間支出調査の参考値2026-05-15
[2]カインズ公式通販 犬用品・ペットシーツ等の商品一覧初期用品・消耗品の価格確認例2026-05-15
[3]厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」犬の登録、鑑札、注射済票の確認2026-05-15
[4]江東区「犬の登録・狂犬病予防」東京自治体の犬登録手数料例2026-05-15
[5]文京区「犬を飼うには」東京自治体の飼い犬登録手数料例2026-05-15
[6]環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」マイクロチップ登録・変更登録手数料2026-05-15
[7]日本獣医師会「小動物診療料金」診療料金実態調査と料金変動の確認2026-05-15
[8]はせがわ動物病院「料金案内」ワクチン、去勢・避妊手術の公開料金例2026-05-15
[9]亀戸うえの動物病院「料金表」去勢・避妊手術、術前検査、健康診断の公開料金例2026-05-15
[10]アイペット「ペット保険 うちの子 保険料表」年齢・犬種分類・補償割合による保険料確認2026-05-15
[11]ワンケア文京春日「料金表」東京のトリミング料金例2026-05-15
[12]J-Line「ペットトリミングの料金表」東京の犬種別トリミング料金例2026-05-15
[13]Dog House「トリミングやペットホテルの料金」ペットホテル料金例2026-05-15
[14]LOVE WOOF!!「ペットホテル料金表」ペットホテルの体格・部屋タイプ別料金例2026-05-15